事業資金を確保するために、銀行から融資を受けたいと考えている法人経営者や個人事業主もいるでしょう。その際、「まず何を準備すればいいのか」「どのような流れで申し込むのか」がわからない人もいるかもしれません。
銀行融資を受けるときは、まず資金の使い道や必要な金額を整理します。そのうえで必要書類を準備し、銀行への相談や申し込み、審査などの手続きを進めます。
なお、信用保証協会付き融資とプロパー融資の違いなど、銀行融資の基本的な仕組みを知りたい人は「銀行融資とは?仕組みや種類、融資条件についてわかりやすく解説」も参考にしてください。
この記事では、銀行融資を受けるために事前に整理しておきたいことや、申し込みから融資実行までの流れ、必要書類、審査に向けて準備しておきたいことを解説します。銀行から事業資金を借りることを検討している人は参考にしてください。
銀行融資を受けるには事前に必要額や資金使途を整理する
銀行融資を受けたいと考えたときは、銀行へ相談する前に、資金が必要な理由や金額を整理しておきましょう。
具体的には、次の3つを確認します。
- 【何のために必要なのか】設備の購入、仕入れ、人件費の支払いなど
- 【いくら必要なのか】見積書や今後の入出金などから必要額を確認する
- 【いつまでに必要なのか】支払日や設備の購入日など、資金が必要になる時期を確認する
銀行へ融資を申し込む際には、希望する金額だけでなく、その資金を何に使うのか、なぜその金額が必要なのかを説明する必要があります。
たとえば、設備資金であれば、購入予定の設備や金額を見積書などから確認できます。一方、仕入れや人件費などに使う運転資金は、今後の入金と支払いを確認し、どの時点でいくら不足するのかを整理することで必要額を考えられます。
また、銀行融資は相談したその日に資金を借りられるとは限りません。申し込み後には審査や契約などの手続きがあるため、資金が必要になる時期から逆算して準備を始める必要があります。
必要額や資金使途、資金が必要になる時期を整理したら、銀行へ相談し、融資の申し込みを進めます。次に、銀行融資を受けるまでの一般的な流れを確認してみましょう。
銀行融資を受けるまでの流れ
銀行融資は、銀行に相談したその日に資金を借りられるものではありません。融資を受けるまでには、相談や申し込み、審査、契約などの手続きがあります。
一般的には、次のような流れで進みます。
| ① 銀行に融資を相談する ↓ ② 必要書類を提出して申し込む ↓ ③ 銀行による審査を受ける ↓ ④ 融資額や金利、返済期間などの条件を確認する ↓ ⑤ 契約後に融資が実行される |
最初の相談では、なぜ資金が必要なのか、いくら必要なのか、いつまでに必要なのかを銀行に伝えます。その後、決算書や事業計画書、資金使途を確認できる資料などを提出し、銀行による審査を受けます。
審査の結果、融資が可能と判断されると、融資額や金利、返済期間などの条件が提示されます。内容を確認して契約を結び、指定した口座へ資金が入金されると融資実行となります。
なお、信用保証協会付き融資の場合は、銀行による審査だけでなく信用保証協会による保証審査も必要です。そのため、プロパー融資とは手続きの流れが異なります。
また、申し込みから融資実行までにかかる期間は、利用する融資や審査の状況、提出書類などによって異なります。支払いや設備購入など資金が必要になる日が決まっている場合は、その直前ではなく余裕を持って銀行へ相談しておきましょう。
銀行融資を申し込む前に必要な書類を準備する
銀行融資を申し込む際には、会社の経営状況や資金の使い道などを確認するための書類を提出します。必要な書類は銀行や利用する融資、法人・個人事業主などによって異なりますが、代表的なものには次のような書類があります。
| 書類 | 主に確認できること |
| 決算書・確定申告書 | 売上や利益、資産、負債などの経営状況 |
| 試算表 | 決算後の直近の業績 |
| 資金繰り表 | 今後の入金や支払い、資金残高の見通し |
| 借入金の返済予定表 | 現在の借入残高や今後の返済予定 |
| 見積書・契約書など | 資金の使い道や必要な金額 |
| 事業計画書 | 今後の事業計画や収支の見通し |
すべての融資でこれらの書類が必要になるわけではありません。たとえば、設備資金を借りる場合には購入予定の設備の見積書、運転資金を借りる場合には資金繰り表など、資金の使い道に応じた資料を求められることがあります。
また、創業して間もなく決算書がない場合には、これまでの実績を示す決算書の代わりに、事業計画や売上の見込みなどを説明する資料が重要になります。
銀行から案内された書類をそろえるだけでなく、「なぜこの資金が必要なのか」を説明するためにどの資料が使えるのかを考えて準備しておくと、融資の相談を進めやすくなります。
銀行融資の審査では会社の状況や返済の見通しが確認される
銀行融資の具体的な審査基準は、すべてが公表されているわけではありません。また、融資を受けられるかどうかは、銀行や利用する融資、会社の状況などによって異なります。
そのため、審査基準を予測するのではなく、自社の状況や資金が必要な理由、融資後の返済見通しを整理し、銀行へ説明できるようにしておくことが大切です。
融資を申し込む際には、決算書などの財務資料を提出し、現在の借入状況や資金の使い道などを銀行へ説明します。ここでは、融資を申し込む前に整理しておきたい内容を確認します。
なお、審査に不安があり、申し込み前に確認しておきたい点を整理したい場合は「銀行融資の審査に通らない理由とは?申し込み前に確認したいポイントを解説」も参考にしてください。
決算書から会社の業績や財務状況を伝える
銀行融資を申し込む際には、決算書などの財務資料を提出します。
決算書には、会社の売上や利益だけでなく、保有している資産や負債、借入金などの情報が記載されています。そのため、現在の会社の状況を銀行へ伝えるための重要な資料になります。
ただし、決算書に記載されている数字だけでは、その背景まで伝わるとは限りません。
たとえば、一時的な支出によって利益が減少した場合や、大きな設備投資によって借入金が増えた場合などは、その理由や今後の見通しをあわせて説明できるようにしておきましょう。
現在の借入状況や返済状況を整理する
すでに融資を受けている場合は、どこからいくら借りているのか、毎月いくら返済しているのかを整理しておきます。
新たに融資を受ければ、その分だけ毎月の返済も増えます。既存の借入を含めた返済額と今後の収支を確認しておくことで、融資後も返済を続けられる見通しを説明しやすくなります。
また、取引のある銀行から融資を受けている場合は、普段から決算内容や事業の状況、今後の計画などを共有しておくことも、資金が必要になったときの相談につながります。
資金の使い道と必要な金額を説明できるようにする
銀行へ融資を申し込むときは、「いくら借りたいか」だけでなく、その資金を何に使うのかも整理しておきます。
設備資金であれば、購入する設備の見積書などから必要な金額を示せます。運転資金であれば、仕入れや人件費などの支払いと売上の入金時期を確認することで、どの程度の資金が必要なのかを考えられます。
希望する融資額に根拠があれば、なぜその金額が必要なのかを銀行にも説明しやすくなります。
銀行融資を受けるには事前の準備を進めておこう
銀行融資を受けるときは、まず「何のために」「いくら」「いつまでに」資金が必要なのかを整理することから始めます。そのうえで必要書類を準備し、自社の状況や資金が必要な理由、返済の見通しを銀行へ説明できるようにしておきましょう。
銀行ごとの具体的な審査基準はすべて公表されているわけではありませんが、融資を申し込む側で準備できることはあります。銀行融資を検討している場合は、必要な情報や書類を整理したうえで相談を進めることが大切です。
一方で、「今の会社の状況で融資を検討した方がいいのか」「いくら借りるべきなのか」など、自社だけでは判断しにくいこともあるでしょう。フェスタブルでは、毎月3社限定で経営に関する無料相談を実施しています。資金調達や融資について悩んでいる場合は、ご相談ください。